立体ぽくするスクリプト for Illustrator

斜めに押し出したような立体感のある図形(斜投影図)を描くためのスクリプトです。
Illustrator CS6~CC2021(win・mac)で動作します。

主に文字をアウトライン化したパスに対して使用することを想定したスクリプトですが、文字以外のパスにも使えます。ただし、パスのセグメント同士が交差したり、ぴったり重なっているような図形では、思ったような結果にならなかったり、エラーが出たりする場合があります。事前にパスファインダー等を使ってセグメントの重なりが無いようにしてください。

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斜投影図について

このスクリプトで描けるのはいわゆる『斜投影図』なのですが、
斜投影図では、奥行き方向の線はすべて平行です。
これは、遠くにあるものほど小さく見えるという遠近法(パース)が考慮されていないということです。

また、現実の立体であれば、たとえばサイコロの1つの面を真正面から見た場合、他の面は見えません。側面が見えるようにするには少し傾ける必要があります。そうした場合、正面の面はひし形に少し歪んで見えます。
しかし斜投影図では、正面の面は完全に正方形のまま歪まず、斜めに奥行き方向に伸びる面が見えます。

このようなことから、斜投影図は正しく立体を描写したものではなく、立体をデフォルメ表現したものと言えます。
しかし、元の形状を歪ませることなく立体感を出せるというのは、文字装飾には向いていると言えるんじゃないでしょうか。


できること


できないこと


スクリプトの使い方

①Illustrator上で、パス、複合パス、またはそれらをグループ化したものを選択します。パスに線がある場合は角の形状を『ラウンド結合』にしておきます。

②メニューの ファイル>スクリプト>その他のスクリプト から、『立体ぽくする.jsx』を選択します。

③ダイアログを適当に設定します。

④OKを押します。


スクリプトを素早く実行するには

毎回『その他のスクリプト』からjsxファイルを選択するのは大変なので、以下のいずれかで素早く実行できるようにしておくと便利です。

★メニューに表示されるようにする

jsxファイルを所定のスクリプトフォルダに入れておくと、ファイルメニューの『スクリプト』内にメニューとして表示されます。

スクリプトフォルダは、標準では以下の場所にあります。
◇Macの場合
/アプリケーション/Adobe Illustrator CC 2020/プリセット/ja_JP/スクリプト
◇Windowsの場合
C:\Program Files\Adobe\Adobe Illustrator CC 2020\Presets\ja_JP\スクリプト

※"CC 2020"の部分は使用するIllustratorのバージョンによって変わります。複数のバージョンで使いたい場合はそれぞれの場所にコピーする必要があります。

★ツールを使う

スクリプトを便利に使うための様々なツールが有志の方々により開発されています。私も『Sppy』という、キーボードショートカットでスクリプトを実行できるソフトを作っていますのでWindowsの方は使ってみてください。

・SPAi(Mac用、ものかの氏作)
  http://tama-san.com/spai/

・Sppy(Windows用)
  http://sysys.zouri.jp/sppy/


うまくいかないとき

★「an Illustrator error occurred: 1346458189 ('PARM') 」というエラーが出る

★それ以外のエラーが出る

★結果がおかしい


似たような表現ができるアピアランス技の紹介

アピアランスを使って、似たような表現ができる手法を考案しておられる方たちがいらっしゃいます。

アピアランス技はアウトライン化が不要で、後からテキストやフォントを変更できるという強みがあります。
その点でこのスクリプトはアピアランス技に大きく劣るわけですが、

・元のパスが全く歪まない
・奥行き方向の線が厳密な直線
・角の部分にも線が引ける
・陰影がなめらかなグラデーション

というあたりに価値を見出していただける方にご購入いただければと思っています。

★樋口泰行先生(@higuchidesign)の手法①

★樋口泰行先生の手法②

★おもちさん(@jc2AajVECPrXsa3)の手法

★コロさん(@coro46)の手法(アイソメトリック図法)


このスクリプトを利用して発生したいかなる損害についても、作者は一切の責任を負いません。
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